森羅万象の中に、身を置く。そこに一陣の風が吹き渡る。 息吹を伝え、あたかもアニマが宿り、自然なるものの異貌を垣間見せる瞬間があろう。いずれにせよ、それは不思議のときに身を浸した、類稀なる体験であることに変わりない。 川村邦光「結界を開く」より
片隅の草花、身近な自然から始まった大型カメラによるモノクロームの撮影。 そこに立ち現れる自然の貌(かたち)には人知を超えた力がある。さながら結界をはりめぐらすように、聖域を定めて写真が撮れないだろうか。 そして又、私たちの文明はいつも自然から学ぶほかないのだろう。